出力紙濃度調整は、RUオプション(中継搬送ユニット RU-509)がある場合だけ実施できます。
RUオプション(中継搬送ユニット RU-509)に搭載されている濃度センサーで、γ補正用のチャートのパッチ濃度を測定してキャリブレーションを実施します。
内部のIDCセンサーによるγ補正の替わりに、プリントしたチャート画像を使って補正するため、2次転写や定着、および用紙の特性を加味した補正ができます。
RUオプションがある場合、手動でキャリブレーションを実施する必要はありません。ただし、その場合は、本体のタッチパネルで[調整] - [出力紙濃度調整] - [基本設定]の順に押してから、[定期調整の実行]を[する]に設定してください。
出力紙濃度調整には、次の3つの調整があります。
出力紙濃度調整の内容 | 説明 |
---|---|
基本設定 | 出力紙濃度調整を有効にして、実施タイミングなどを設定します。
|
用紙別カラーセンサー調整 | 用紙に合わせた濃度調整値を測定して登録します。
|
出力紙濃度手動調整 | 出力紙濃度を手動で調整します。 |
■画質調整フローと本調整の位置づけ
出力前の画質調整フローにおいて、本調整の位置づけは次のとおりです。
前もって、調整フローの1つ前の調整を済ませてから本調整を実施してください。
画質調整フローの一連の調整を連続して実施しない場合には、ガンマ自動調整(スクリーン変更時調整フロー/日常の調整フロー(高精度))を実施後に、次の調整から再開してください。
・イメージコントローラー IC-602の場合:
画質調整フロー | 本調整の位置づけ | |||
1つ前の調整 | 本調整 | 次の調整 | ||
スクリーン変更時調整フロー | RUなし | ― (なし) | ||
RUあり | (STEP3:濃度バランス調整) | STEP4:本調整 ※:任意 | (STEP5:カラーバランス調整) | |
日常の調整フロー(標準) | RUなし | ― (なし) | ||
RUあり | 本調整(基本設定)
| |||
日常の調整フロー(高精度) | RUなし | ― (なし) | ||
RUあり | (STEP3:最高濃度調整) | STEP4:本調整(基本設定/用紙別カラーセンサー調整(※)/出力紙濃度手動調整) ※:任意 | ― (なし) |
・イメージコントローラー IC-308の場合:
画質調整フロー | 本調整の位置づけ | |||
1つ前の調整 | 本調整 | 次の調整 | ||
スクリーン変更時調整フロー | RUなし | ― (なし) | ||
RUあり | (STEP3:濃度バランス調整) | STEP4:本調整 ※:任意 | (STEP5:コントローラーキャリブレーション) | |
日常の調整フロー(標準) | RUなし | ― (なし) | ||
RUあり | 本調整(基本設定)
| |||
日常の調整フロー(高精度) | RUなし | ― (なし) | ||
RUあり | (STEP3:最高濃度調整) | STEP4:本調整(基本設定/用紙別カラーセンサー調整(※)/出力紙濃度手動調整) ※:任意 | ― (なし) |
出力紙濃度調整を有効にして、実施タイミングなどを設定します。
出力紙濃度調整機能(用紙別カラーセンサー調整/出力紙濃度手動調整)を利用する場合は、必ず[出力紙濃度調整の使用]を[する]に設定してください。
本体のタッチパネルで、[機械状態]画面の[調整]を押します。
[調整メニュー]が表示されます。
[調整メニュー]画面の[出力紙濃度調整]を押します。
[基本設定]を押します。
各項目を設定します。
お使いの環境に合わせて適切な設定をしてください。ここでは、次のように設定します。
項目 | 説明 |
---|---|
[出力紙濃度調整の使用] | [する] |
[定期調整の実行] | [する] |
[調整実施タイミング] | [ジョブ開始前] |
[チャートトレイ設定] | [しない] |
RUオプション(中継搬送ユニット RU-509)で自動で濃度調整を実施する場合は、[定期調整の実行]を[する]に設定してください。
用紙に合わせた濃度調整値を測定して登録します。
※必要に応じて任意で実施してください。
チャートの測定には、X-rite Measure toolを使用します。前もってインストールしておいてください。
X-rite Measure toolは、以下のサイトから無償でダウンロードできます。インストール後、コンピューターを再起動してください。
日本語版 ProfileMaker 5 v5.0.10:
http://www.xrite.com/product_overview.aspx?ID=757&action=support&softwareID=951
測色器にi1iSisを使用する場合は、手順13(メニューから[測定]選択)に続けて、「■測色器i1iSisの場合」の手順で測定してください。
本体のタッチパネルで、[機械状態]画面の[調整]を押します。
[調整メニュー]が表示されます。
[調整メニュー]画面の[出力紙濃度調整]を押します。
[エキスパート設定]の[用紙別カラーセンサー調整]を押します。
出力濃度調整値を登録する番号を選択して、[印刷モードへ]を押します。
登録済みの番号を選択すると、調整値が上書きされます。
用紙別カラー調整の登録名を入力して、[OK]を押します。
[印刷モード]画面で、[画質調整]を押します。
[スクリーン選択]のを押してスクリーンを選択します。選択後、[閉じる]を押します。
印刷モード画面でトレイを選択したあと、操作パネルのスタートを押します。
排紙トレイを設定するには、印刷モード画面の右上にある[出力設定]を押します。
測色器で測定するためのカラーチャートが出力されます。
X-rite Measure toolをインストールしたコンピューターでコンピューターを起動して、[スタート] - [すべてのプログラム] - [X-Rite] - [ProfileMaker Pro 5.0.10] - [MeasureTool]の順に選択します。
X-rite Measure toolが起動します。
以下では、日本語表示の画面例で説明します。メニューやメッセージなどを日本語で表示するには、Measure Toolのツールバーから[Language] - [Japanese]を選択して、X-rite Measure toolを再起動してください。
次のメッセージが表示されたときは、[OK]をクリックします。
測色器をコンピューターに接続します。メニューから[装置の設定]をクリックします。
[装置の設定]画面が表示されます。
[装置]で、使用する測色器を選択します。[OK]と表示されたら、画面を閉じます。
例:ここでは、[Eye-One Pro](i1Pro)を選択しています。
メニューから[測定]をクリックします。
以降の操作は、測色器i1Proの場合について説明します。測色器i1iSisによる測定については、「■測色器i1iSisの場合」をごらんください。
[テストチャート]から[カスタム]を選択します。
[列]と[行]を指定して、[OK]をクリックします。
チャートのサイズに合わせて指定します。
測色器i1Pro/大サイズ(測定チャート3枚)の場合:[行]=4、[列]=11
測色器i1Pro/中サイズ(測定チャート4枚)の場合:[行]=4、[列]=8
[スタート]をクリックします。
次のメッセージが表示されたら、測色器をキャリブレーションドックに水平に置いて、[OK]をクリックします。
チャートを印字した用紙と同じ種類の白紙を10枚重ね、その上に印字したチャートを重ねます。
テーブルの色の影響などを排除するため、測定するチャートの下にはチャートと同じ用紙を10枚ほど敷いてください。
次の画面が表示されたあと、左上の先頭のパッチに測色器を置いて、測色器のボタンを押します。ピッと音が鳴ったら、読取ったパッチが画面に表示されたことを確認します。
続けて、1つ右のパッチに測色器を置いて、測色器のボタンを押します。すべてのパッチを同様の操作で測定します。
すべてのパッチ行を同じようにスライドさせて測定します。
測定する位置(パッチ)を間違えた場合は、ボタンをクリックすると1つ前のパッチ位置に戻れます。
チャート測定が終了したら、[閉じる]をクリックします。
チャートの測定が終了するたびに、次のチャートの読込むようにメッセージが表示されます。1枚ごとに、測色値を保存してください。
続けて、「測定データを保存する」に進み、測定データを保存してください。
■測色器i1iSisの場合
測色器にi1iSisを使用する場合は、手順13(メニューから[測定]選択)に続けて、次の手順で測定してください。
[テストチャート]から[開く]を選択します。
用紙サイズに合わせて、測定用のスクリプトデータを選択して[開く]をクリックします。
スクリプトデータについては、サービス実施店にお問い合わせください。
チャートのサイズに合わせて指定します。
・OutdensenA3V01_S1Cut.txt:大サイズチャート(測定チャート3枚)
・OutdensenA4V01_S1Cut.txt:中サイズチャート(測定チャート4枚)
・OutdensenB5V01_S1Cut.txt:小サイズチャート(測定チャート5枚)
次の画面で[スタート]をクリックします。
次のメッセージが表示されたあと、i1iSisにチャートを挿入します。
チャートの左端と黒いダイヤマーク(◆)との間が10 mm程度になるように、チャートの左側をハサミなどで切ってください。
i1iSisの挿入口の左端に用紙の左端を合わせて、1枚ずつ自動で読み込ませてください。正しく挿入すると、チャートが数cm引き込まれてから少し戻り、しばらくすると読み込みを開始します。
黒ダイヤマークから1枚ずつ自動で読み込ませてください。
自動で測定が開始されます。
測色器で測定した出力濃度のデータを、USBメモリーなどのUSBデバイス、または本機と同じネットワーク上のコンピューターに保存します。
[ファイル]メニューから[別名で保存]を選択します。
「LABの書き出し」を使用すると、調整データを本機に登録する際にエラーが発生します。データを保存する際は、必ず「別名で保存」を使用してください。
保存先を指定します。
USBメモリー、または本機とネットワークでつながっているコンピューターを指定します。
保存先 | 説明 |
---|---|
USBメモリー | コンピューターにUSBメモリーを接続します。 ・bizhub PRESS C1070の場合: USBメモリーのルート(直下)に「¥C1070¥ADJUST_DATA」フォルダーを作成して、保存先に指定します。 |
ネットワーク上のコンピューター | 本機と同じネットワークに接続されているコンピューターを開いて、任意のフォルダーを指定します。 |
測定データの保存ファイル名を入力して[保存]をクリックします。
「チャートに印字された4文字の識別番号」を指定してください。
例:0431.txt、0432.txt、0433.txt
出力紙濃度調整の測定データが保存されます。
同様の操作を繰り返して、すべての測定データを保存してください。
USBメモリー、またはネットワーク上のコンピューターに保存した測定データ(用紙別出力紙濃度調整値)を本機に登録します。
測定データの保存場所 | 操作 |
---|---|
USBメモリーに保存した測定データ | USBメモリーを接続して、本体の操作パネルから登録します。 「■USBメモリー内に保存した測定データを登録する」を参照してください。 |
ネットワーク上のコンピューターに保存した測定データ | WebブラウザーからWeb Utilitiesで測定データを本体に送信(アップロード)して登録します。Web Utilitiesの詳細は、Web Utilitiesの概要をごらんください。 「■ネットワーク上のコンピューターに保存した測定データを登録する」をごらんください。 |
■USBメモリー内に保存した測定データを登録する
本体のタッチパネルで、[機械状態]画面の[調整]を押します。
[調整メニュー]が表示されます。
[調整メニュー]画面の[出力紙濃度調整]を押します。
[エキスパート設定]の[用紙別カラーセンサー調整]を押します。
チャートの出力時に登録済みの番号を選択して、[USBメモリー]を押します。
登録済みの番号には、[測色データ読込み待ち状態です]と表示されています。
次の画面が表示されます。測定データを保存したUSBメモリーを本体に接続したあと、[OK]を押します。
登録する測定データのファイル名を選択して、[OK]を押します。
測定したチャートに対応する複数のファイルがまとめて選択されます(ファイルは個別に選択できません)。
出力濃度の調整値が本機に登録されます。
■ネットワーク上のコンピューターに保存した測定データを登録する
測定データを保存したネットワーク上のコンピューターでWebブラウザーを開きます。
測定データを保存したコンピューターからWeb Utilitiesにログインすることをおすすめします。
URL 欄に「http:// 本機のIP アドレス(またはホスト名):30091」を入力して、Enterキーを押します。
EFIのコントローラーを装着している場合は、IP アドレス末尾の「:30091」は不要す。
Web Utilitiesのメインページが表示されます。
[管理者設定]をクリックします。
[ユーザー名]と[パスワード]を入力して[OK]をクリックします。
[測色データWeb入力]をクリックします。
[ファイル名]と[ファイルパス]を指定して、[アップロード]をクリックします。
ファイル名(例:2021115011C4CC_i1pro_2012-10-15.txt)
[ファイルパス]の[参照]をクリックして、コンピューターに保存した測定データを選択します。
同様の操作を繰り返して、すべての測定データをアップロードしてください。
本体のタッチパネルで、[機械状態]画面の[調整]を押したあと、[調整メニュー]画面の[出力紙濃度調整]を押します。
「■USBメモリー内に保存した測定データを登録する」の手順1、手順2の操作をごらんください。
[エキスパート設定]の[用紙別カラーセンサー調整]を押します。
チャートの出力時に登録済みの番号を選択して、[本体保存データ]を押します。
登録する測定データのファイル名を選択して、[OK]を押します。
測定したチャートに対応する複数のファイルがまとめて選択されます(ファイルは個別に選択できません)。
出力濃度の調整値が本機に登録されます。
登録した用紙別の出力濃度調整値を本機に適用します。
本体のタッチパネルで、[用紙設定]を押します。
用紙設定画面が表示されます。
出力濃度調整値を適用するトレイを選択して、[設定変更]を押します。
[出力紙濃度調整]を押します。
[登録調整値]を押します。
適用したい調整値を一覧から選択して、[OK]を押します。
出力紙濃度を手動で調整します。
本体のタッチパネルで、[機械状態]画面の[調整]を押します。
[調整メニュー]が表示されます。
[調整メニュー]画面の[出力紙濃度調整]を押します。
[エキスパート設定]の[出力紙濃度手動調整]を押します。
[印刷モードへ]を押します。
印刷モード画面で、[画質調整]を押します。
[スクリーン選択]のを押してスクリーンを選択します。選択後、[閉じる]を押します。
印刷モード画面でトレイを選択したあと、操作パネルのスタートを押します。
排紙トレイを設定するには、印刷モード画面の右上にある[出力設定]を押します。
チャートが出力されると、手動調整が完了します。