明るい所で物はなぜ色がついて見えるのでしょう。光は可視光線といわれる380 nm~780 nm(ナノメートル)の波長の電磁波です。可視光線を波長の短い順に分割すると、紫、藍、青、緑、黄、橙、赤といった虹の色になります。逆に、これらの色の光がいっしょになると、色のない白色光(太陽光)になります。物体の色は、主に、可視光線が物体を反射または透過するときに、その光が波長や強さを変えるため、目に色として認識されるわけです。
[1]:白色光/[2]:スリット/[3]:プリズム/[4]:可視光線/[5]:電磁波/[6]:光/[7]:反射/[8]:色
可視光線を分割した色を、原色といいます。原色は、ほかの色を混ぜても作りだせません。いっぽう、原色を混ぜる(混色)と、いろいろな色を作りだすことができます。混色には、光の三原色と色料の三原色とがあります。光の三原色は加法混色ともいわれ、混色を繰返すほど明るくなります。具体的には、R(赤)、G(緑)、B(青紫)の光を混ぜて、いろいろな色を作出します。色料の三原色は減法混色ともいわれ、混色を繰返すほど暗くなります。Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の染料やトナーなどを混ぜて、いろいろな色が作られますが、実際には、K(黒)を加えた4色で色が再現されます。
光の三原色 | 色料の三原色 |
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人間が色を識別する観点から考えてみます。物体の色を見て、「赤味がかっている、青っぽい」と思ったり、「明るい、暗い」と思ったり、「鮮やか、くすんでいる」と感じたりします。「赤味がかっている、青っぽい」の感覚は色相として区別されます。「明るい、暗い」は明度、「鮮やか、くすんでいる」は彩度として区別します。この3つの要素を、色の三属性といいます。この三属性を立体的に表現したものが色立体(マンセル表色系)です。
[1]:明度/[2]:彩度/[3]:色相